まだ格安SIMの料金本当の低廉化は終わっていない
MNO,キャリア各社の20Gの料金は国際比較でも安くなりましたが、多くの人たちが使う3Gレベルの料金プランは、やっと10月に出そろいました。どこの業者も税込みでほぼ1000円イカです。20G、2980円と3G、990円を比べると、ギガあたり149円/Gと330円/Gのおよそ倍の差がまだあります。
とりあえず接続料低減化の問題が当面一段落しました。しかし比較してみるとギガあたりではまだ高いのです。MVNO、格安SIM業界においては接続料のさらなる低廉化こそがネックになるのです。
接続料は電気通信事業法第34条でNTTドコモ、KDDI、ソフトバンク等、法令上は「第二種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者」は接続約款を定め総務大臣に届け出なくてはいけないとなっています。
キャリアが受け取る接続料は、「適正な原価」に「適正な利潤」を加えた金額として、総務省令で定める金額を超えてはいけないとなっており、総務省において、検討されています。
これを受けて、2020年の接続料が各キャリアから提示され、それにより回線を持っていない「格安SIM」のMVNOが各社の通信料金を決めるのです。
2020年度から3年間で5割減を目指す方向だというが?
接続料金については総務省が2020年10月に公表した「モバイル市場の公正な競争環境の整備に向けたアクション・プラン」で、MVNO向けのデータ接続料について「今年度(2020年度)から3年間で昨年度(2019年度)比5割減を目指す」と掲げたのです。
このグラフはキャリア各社の予測接続料です。青い囲み部分をそれぞれのキャリアごとに別にしたものが下のグラフになります。
これによると現在2021年ですが2023年にはソフトバンクは10Mbps/月あたり16.1万円、ドコモとauは18.4万円ほどになると予測されています。今年度はドコモ28.4万円、au26.8万円、ソフトバンクは21.9万円なので確かに4割以上安くなる予測です。目標は3G、ワンコイン500円ではないでしょうか。
26万というと高い気がしますが、10Mbps帯域の月の値段ですから。私たちが3Gの契約をすると3000M/月なので、30日で割ると1日あたりは30Mですが、10Mbpsは秒あたりですから、すべてのユーザーがいつも使っているわけではないので、10Mbpsで複数の人が使えるようになるため、MVNOは利益を出すことができるのです。MVNOは会員の数と、キャリアから借りる帯域を調整しているわけです。
格安SIM会社の品質に注意して選ぼう
借りる帯域が少ないと、同じ時間帯に使う人が集中すると通信スピードが遅くなるわけです。お昼休みに、通信スピードが遅くなるのはそのためです。たくさんの帯域を借りて、多くの人が集中してもスピードが落ちない業者は品質が良いことになります。
データ通信は、MNOのネットワークにMVNOの設備を経由させて、インターネットにつなぐ形になっているので、このとき、MNOとMVNOをつなぐ接続点をどれだけの容量にするかによって、通信速度が変わってきます。
品質に力を入れる事業者では収入の7割程度を占めるケースもあるとされています。接続料の低廉化で負担が減れば、値下げや販促強化、帯域幅増強などに回せることになるのです。
品質に関してはもう一つ問題があります。キャリアとの接続の方法です。
- 単純再販型MVNO
- レイヤー3接続MVNO
- レイヤー2接続MVNO
単純再販型MVNOはキャリアのSIMを再販するだけで、キャリアがSIMを発行し、業者はそれを再販するだけです。
レイヤーは物理層を1として、その外側の層がレーヤー2、もう一つ外側がレイヤー3です。コアに近いレイヤー2では中継なしにデータのやり取りができるMNOにもっとも近い層です。
そのため、レイヤー2接続においては、携帯電話網の一部をコントロールできたり海外との運用、eSIMの独自発行 ホストMNO以外の他事業者間接続ができるため海外とのローミングサービスなど柔軟性の高いサービスの提供もできることになります
単純再販型MVNOは設備に関わる独自のサービスを一切打ち出すことが出来ず、提携する大手キャリアの提供する通信サービスをそのまま自社の顧客に提供すると言う形になります。
選ぶ場合は、価格だけでなく、まず「通信スピード」そのほか「国際ローミング、国際SMSなどの海外サービス」「固定グローバルIPアドレス」「eSIM」などのサービスを比較することです。
全体の7割を占める3Gプランの格安SIMユーザーとしては、もう一段の低廉化を願う
20Gのスマホ電波利用料金は確かに安くなったことは評価しますが、ここまで述べたように、まだ、スマホの電波使用料金が格安SIMにまで完全に及ぶ前であり、政府の姿勢が菅政権と変わり、ここで止まることなく進めていくことを監視していかなければなりません。およそ7割のユーザーが使っているのは3Gレベルで、そこにメスが入らなければ、この改革は成功したとはいえません。
Y.Uモバイルに現在のキャリアやほかの格安SIMからかえるときは、3000円の事務手数料がかかりますが、それも安くできます。それはエントリーパッケージを購入してから申し込むことです。これでエントリーパッケージ代だけで事務手数料はゼロ円になります。