どうなる日本の株式市場
「エブリシングバブル」とは著名な投資アナリストGraham Summers氏の著書で2017年10月にアメリカでベストセラーになった本です。
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バブル崩壊を予測しています。10年以上にわたる研究と分析の結果で、すでに経済規模はコントロールできないほど膨れ上がっていて、ITバブル、住宅バブルをしのぎ「エブリシングバブル」となると述べています。今回のアメリカ株式市場急落がこれかと思ってしまいましたが、まだ様子見ですね。とりあえず、日本、アジアで持ちこたえている感じです。この後どうなるのか気になります。
リーマンショックの時のVIX(恐怖)指数とS&P500チャート
そこでVIX指数を見てみました。VIX指数とは恐怖指数とも言われていて、アメリカのS&P500を対象とするオプション取引の値動きをもとに算出しています。いわゆるボラティリティ・インデックス(Volatility Index)の略ですが。ボラティリティとは「値動きの荒さを」示しているのです。株価が乱高下すれば「値動きは荒くなる」わけで、乱高下するようになります。しかもこれがオプション取引から算出されていますから、先物の値動きが荒くなれば当然将来値動きが荒くなると考えるわけで、VIX指数を見ることで、この先の株価の方向性を知ることができるのです。これはリーマンショックの時のVIX指数とS&P500指数との関係を示したチャートです。2009年のところに注目してください。青色のVIX指数が跳ね上がると赤のS&P500が急落しているのがわかります。恐怖指数が大きく変化すると株価は急落するわけです。この後、VIX指数が落ち着いてくるにつれてS&P500は上昇を初めています。
今回の急落における日経平均、VIX短期先物指数、NYダウを重ねたチャート
それでは、今回の急落はどう見たらよいのか、「日経」と「日本のETFでVIXを売り買い」しているものがあるのです。三菱UFJ国際投信が運用しているETF「国際のETF VIX短期先物指数<1552>」です。2017年10月から2018年10月までの1年間をこれと「NYダウ」を同じチャートに重ねてみました。最初のVIX指数の上昇は今年の2月のチャイナショックです。この時のVIX指数の上昇はものすごい上昇でした。ここから乱高下は5月ごろまで続くもののそのあとは下がって来ます。9月にはほとんど問題ないぐらいまで下がっていたものが、10月に入り中国との貿易戦争が顕在化してくると急激に上昇したのです。しかし、比べてください。この先はわかりませんが、ここまでの変化は2月のチャイナショックほどではないことがわかります。皆さんはどう思いますか?
私はまだ「エブリシングバブル」ではないと思いますが。結局株価は経済システムではなく人間の恐怖で動くということが理解できると思います。